No.67 コウケツ様(2004/9/27)

 各所の北斗系Web Siteを見ていると、各管理人さんごとに特定のキャラへの思い入れがあり、なかなか楽しい。人気キャラであるラオウを「拳王様」と呼ぶサイトは少なくない。他にも、ザク様、サモト様、ヌメリ様辺りを時々見かける(ハート様に関しては、思い入れの有無に拠らず「様」を付けるのが慣例になっているが)。

 では、私はコウケツに「様」を付けてみることにしよう。荒廃した時代に農業生産の大切さを印象付けたという功績を称えたいのだ。

 かつて拳王ラオウの馬番をしていたが、不遇であった。ラオウの靴を磨こうとするが逆に公衆の面前でドブネズミ呼ばわりされたり、直属の上司ジンバには張り倒される毎日。しかし、ラオウ死後、彼の頭脳の冴えが発揮されるときがきた。荒地を開墾して得られる農作物を餌にかつてのラオウの部下を手なずけて彼らの力により農地を収奪したり、口上芸に長けた部下キスケを使った巧みな宣伝により農奴を集めて更に荒地を開墾して拡大再生産。しかも奴隷たちの死体を肥料に利用するという(ある意味で)健康的な有機農法。

 見事な手腕である。ひとつ残念なことは、余りにも手口が強引過ぎて民衆の支持を到底得られないであろうということ。あれほどの土地を持っていれば奴隷制度に頼らずとも安価な労働力が得られたのではないだろうか? 結果的に、ケンシロウを敵に回してしまった。対ケンシロウ戦には、薬物で手なずけた大男(マイペット)を用いて臨むが、如何せん実力差があり過ぎ。そこで、地下に設置した「コウケツ以外の体重が乗ると槍に貫かれる装置」を用いてケンシロウを倒そうと試みるが、ケンシロウに装置の存在を見破られ(何故分かった?)、あっけなく装置の餌食となって死亡した。

 少しやり方を変えれば、偉大なる農業指導者として君臨でき、「高潔様」として皆に尊敬される人生を送ったことだろう。個人的には残念である。彼のように、腕力抜きに知謀で乱世を乗り切ろうとする人物は「北斗の拳」では不遇である。この点ではジャコウと共通している。

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