No.58 ジュウケイ(2004/9/1)

 北斗琉拳の先代伝承者。修羅の国でカイオウ、ヒョウ、ハン、シャチの4人に北斗琉拳を授ける。ジュウケイの言葉によると、「北斗琉拳」は存在してはいけない拳法であるらしい。極めし者は“魔界”に入ってしまい、己を見失ってしまうとか。実際、若き日のジュウケイも魔界に入り、妻子に手を掛け、北斗神拳の当時の伝承者リュウケンに戦いを挑んでいる。そのときの台詞

「オレは魔界を見た」

が名台詞だと思うのは私だけだろうか。このときはリュウケンの一撃を受けて正気に戻っている。

 よく言われることだが、「存在してはならない拳」と言い切っておきながら、カイオウ達に北斗琉拳を授けてしまうのはいかがなものか。殊に、激しい性格と飛びぬけた才能を持つカイオウを、ヒョウの従者に任命してしまったのは致命的な過ちであろう。しかも、やることなすことが中途半端。たとえば優しすぎる宗家嫡男ヒョウの記憶を奪おうとする際に、手加減で術が浅くなり記憶を奪うに至らず、結果的にカイオウにつけ入る隙を与えてしまった。最期は記憶復元に失敗したヒョウに殺されてしまうが、まさに死に際の台詞「許せ、この大馬鹿者を」に値する人生だったと言えるかもしれない。

エッセイindexへ戻る北斗スレの杜TOPに戻る